Cristallina Architecte | クリスタリーナアーキテクツ

Architecture with European inspiration & Japanese sensibility

- Design Journal

Rouge et noir

04/12/2013

今年もとうとう最後の月となりました。
12月というとクリスマス、クリスマスというと赤と緑のポインセチアカラーですね。
寒い時期はやはり寒色系より暖炉の情景が浮かぶような暖か~い色に包まれて過ごしたくなります。
今回はインテリアのルージュ、赤、そして、ノワール、黒についてお話します。
ヨーロッパでいろいろインテリアを見ていると赤の使い方が抜群なのに気がつきます。
特にフランス、イタリアにおいてクラシックでもモダンなスタイルでも断トツに上手に感じます。
一口に赤と言っても、原色の赤やオレンジ味の入った朱色と言った使いようによってはきつくなる色ではなく、たとえば、レンガ色、クリムゾン、シエナレッド、ワインレッド、ザクロ色、チェリーレッド、ラズベリー色、等々、もともとアースカラーの自然界にあるニュアンスに富んだ色使いにたくさんお目にかかります。
本当の色合いはもちろん実物を見るのがベストですが、下の写真はミラノにあるホテル(上段)とイタリアのチロル地方にあるホテル(下段)で過ごしたインテリアの例です。
rouge
チロルのホテルの方は、柔らかいレンガ色の赤と明るい木の色合いをキートーンに館内全体がまとめられていました。その中にいると、「可憐」「上品」とか「洗練」「アート」といったものを感じて魅了され、心地よく暖かく包まれる雰囲気です。
赤使いは質感選びや配分も非常に印象を左右するのでかなりのセンスを問われてくることも確かです。
日本で赤系を使ったインテリアを提案すると、おじさま世代以降から、やれ、ラブホだ、やれ、場末のキャバレーだ、といったコメントが返ってきて解ってもらえないことが多いです。
日本では赤か黒かの選択があるとすると、黒が大好きの方が多いように思います。
黒ならかっこいいか、無難におさまるかで、あまり批判されることのない色でもあります。
ふと黒が主役のファッションを振り返ってみると、ヨージヤマモト、コムデギャルソン、アルマーニ、クライン、等々ありますね。ブランドの黒色の服を着ることがステータス、それらを着ていれば安心な一種の制服にも映る・・・なんて言ったら怒られちゃうだろうな。
イタリアやフランスの男性は色彩を使った着こなしが上手な方を街でよくみかけます。
では、お次に、ヌワー=黒、黒使いが魅力的なミラノはブルガリホテルのお写真に行ってみたいと思います。
bulgari hotel
お部屋のバスルームはマットな質感の中に深みのあるツヤがある、かなり大判の長方形のブラックタイル張り。
そして、ライム色のキャンドルがバスタブの廻りにいくつか置かれていて、ブルガリの香水の香りが辺りに漂います。 黒の壁面にキャンドルの灯が映りこみ、揺らいでいて幻想的。 私は湯のぼせしやすいので普段あまり長湯はしませんが、そんなことも忘れてず~っと入っていて、気が付いたら居眠りまでしていたくなりそうなバスタブでした。
Rouge et noir!  どちらも魅了され、インテリアに素敵に使いたい色ですね。

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