Cristallina Architecte | クリスタリーナアーキテクツ

Architecture with European inspiration & Japanese sensibility

- Design Journal

Souvenir de Tudor house

19/01/2013

Tudor House
冬もすっかり本格的になってきました。
寒い時期になって、外を歩いていると暖炉で薪を燃やしている香りが煙突を通して漂ってくる、と言うのはとても風情があっていいですね。 
今回はそんな暖炉が似合うイギリスのファサードです。
シェークスピアの故郷、ストラッドフォード・アポン・エイボン周辺を旅行した時のことを思い出しながら作りました。
12、3世紀に発達した中世ヨーロッパの民家を特徴づける木造建築にハーフティンバー(フランス語ではコロンバージュ)があります。
柱、梁、筋かい、窓台、など軸組みとなる部分を外観に露出し、隙間を藁など断熱材で埋め、漆喰で塗りかためる工法です。
トラス構造の屋根は勾配のある切妻型です。 
パリのサンジェルマンデプレにある建築学校(旧エコル・デ・ボザール)にいた時、授業のテーマ
の一つでレポート提出するのに、あちこちの町に調査をしに行ったことを思い出しました。
フランスはルーアンやシャルトル、アルザス地方に多くみられ、ドイツはロマンティック街道の中世の都市に、イギリスでは代表的なのがストラッドフォード・アポン・エイボン周辺に多く見られ、チューダー様式とも呼ばれます。 
中世の街並では、道幅が狭くならないよう建物の部屋の面積を広くとるために、2階から順次階数を
追って片持ち梁で張りだしていく形状を見ることができます。
パースでも、2階の部分を一部張り出させたデザインにしています。
ハーフティンバーを構造としてではなく化粧材として貼って意匠的に表現します。
破風に大きなアーチ状の鼻隠し飾りを施したり、持ち出しの下部に方杖をつけたりすると本格的ですが、あまりその通りにやりすぎるとお化け屋敷になりかねないので、シンプルにして、レンガをコーナーに入れるなど、軽やかな雰囲気にアレンジしています。
緑の多い郊外や高原の別荘として建てると、味わいがあって素敵ですよね。
そして、リビングの暖炉で薪がパチパチ燃えるのを眺めながら、ダイニングでスイスの伝統料理のラクレットを茹でたてのポテトにのせたり、フォンデュに焼き立てのバゲットを切ったものをひたしたり・・・なーんて、ご馳走をいただくことができたら寒ーい冬も楽しく過ごせそうです。

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