Cristallina Architecte | クリスタリーナアーキテクツ

Architecture with European inspiration & Japanese sensibility

- Design Journal

Souvenir de la Loire

18/12/2012

la Loire
前回は南フランスのファサードの色合いについてお話をしました。
今回は、フランスは北西のロワール川地方を旅行して、流域にたくさん建つ城を訪れた時のことを思い出しながら、住まいにしたてたファサードです。(プランも別にあります。)
南フランスでは澄んだ明るい色合いの漆喰仕上げのファサードが多くみられます。
一方、北フランスではライムストーンの石積みのファサードが多くみられます。
ライムストーンは採れる産地によりオフホワイトだったり、黄みがかったクリーム色だったり、微妙なバリエーションが見られます。
フランス人にとって石の建築は日本人にとっての木の建築と同様で、DNAに刻み込まれていると言えます。
日本人は家の木の香りにノスタルジーを感じるものですが、フランス人は石の香りにノスタルジーを感じるのです。
南仏調の外観は陽気でいきいきした雰囲気になるとすると、北フランス調の外観は、ちょっと
お澄まししたお洒落さんと言った感じの雰囲気になります。
日本で実際、石積みの建物を造るのはきびしいので、石貼りにしたり、ライムストーンの粉がはいった漆喰を使い、石積み調の目地を入れるなどして、石の風合いを出したファサードに仕上げます。 
日本と違い、もともと石を積んでアーチを造って支える構造だったため、建物のあちこちに曲線が入っています。
それが、固い石の建築に柔らかでエレガントなニュアンスを与えているのでしょう。
もちろん、曲線使いのロートアイアンも一層そうした効果を加えています。
もうひとつ。 このクリームや、オフホワイトの外壁をひきしめ、さらに高貴な感じに見せているのが、チャコールグレーのスレート屋根です。 
やはり天然素材は味わいがあってよいものですね。

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