Cristallina Architecte | クリスタリーナアーキテクツ

Architecture with European inspiration & Japanese sensibility

- Design Journal

建物のバランス、リズム、プロポーション

15/09/2014

ようやく秋の和らぎを感じる季節となってきました。 美術館に行くなど、何か文化的なことをしたくなる時期ですね。 秋めいた色合いのイタリアの絵葉書をアップいたします。
palladio
イタリアはヴィチェンツァ郊外に佇むアンドレア・パラディオの「ラ・ロトンダ」。
建築好きな方でヴェロナからヴェネツィア方面に向かったら必ず訪れるであろう、西洋建築史を大きく刻んだヴィラです。
何とも言えないシンメトリー感。 ぼーっと眺めていると、建築という造形物の審美観やバランス、リズム感、プロポーションといったものがしみじみと伝わってきます。
垂直方向にも水平方向にも奥行き方向にもリズムがあり、何と言うか、2拍子とか4拍子でなく、3拍子のリズムを感じます。 イタリア建築のベースとなる審美感が存在します。
シンメトリーというのは人間の顔や体と同様、一番ベーシックな安定感を与えますよね。
もちろんアシメトリー、ディシメトリーと言ったシンメトリーを破ったバランスも1つの美しさです。
古典的な例が、ギリシャのアクロポリスの丘。
ponderation
フランスの建築大学で建築史の授業ではヴィオレ・ル・デュックやオーギュスト・シュワジーという建築家・建築史家の書物を最初に学ぶのですが、そこで ponedération des massesという定義が出てきます。
アクロポリスについて、ディシメトリーの中の規則性について書かれています。
建物をデザインする時、シンメトリーでなくても、直観的に、バランスやプロポーション、リズム感、ハーモニーがあり美的に感じるようにデザインするのは、彫刻や絵画、音楽の表現などとも共通するところでしょう。
ダヴィンチの構図の素晴らしさやミケランジェロのどの角度からみても、また人が見上げた視線から美しく見えるバランス感のある彫刻はヒューマニティーにあふれた永久的なもので、ポストモダンのデコンストラクティビズムのような建築は一時の流行りだったのだなぁと思います。

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