Cristallina Architecte | クリスタリーナアーキテクツ

Architecture with European inspiration & Japanese sensibility

- Design Journal

Souvenir d’Espagne

15/01/2013


ヨーロッパでいろいろなファサードを眺めていて感じるのは、それぞれその土地の気候にマッチしていることです。
一年のうち、どんよりした雲に覆われることが多く、柔らかい水色の空が見下ろす北フランスやイギリスでは、はっきりした色合いより、少しトーンを落としたライムストーン色やレンガの色合いが美しく映ります。
一方、南フランスやイタリア、スペインでは明るい色合いが紺碧の空によく映えます。
今回はスペインを旅行した時見た街の建物を思い出しながら作ったファサードです。
(プランも別にあります。)
スペインの地中海側の街では真っ白なファサードの建物がとても鮮やかで印象的です。
日本のように横殴りの雨や、しとしと雨が降り続くことがなく、乾燥して爽やかな気候なので、この眩い白をキープできるのでしょう。
太陽光線による陰影がはっきりしていて、漆喰のざらざらした表面にテラコッタの丸瓦がくっきりと曲線の影を落とします。
スペインの街を歩いていると、歴史の中で遠い昔からイスラム建築と微妙に融合していることを感じます。
通りに面して続く壁の合間に鉄のレースのようなアラベスク模様のロートアイアンの門扉が現れ、ちらっと中が見えます。
通りに面しては閉鎖的なファサードですが、奥に入って行くほど中庭、パティオが開放的な空間を構成しています。
ロートアイアンの手摺りからこぼれる花々やグリーン、味わいのある素焼きタイル、アーチの柱の回廊、噴水の静かな反響、カナリアの美しい鳴き声・・・。
パティオにいると時を忘れて夢想していたくなります。
スパニッシュスタイルには飴色のどっしりとした木彫家具がインテリアによく似合います。
飴色の木製テーブルの上でスペインのココアとチューロでもいかが?
暖まるので冬にはぴったりなおやつですね。(結構高カロリー!)

< リストに戻る

Page Top